こんにちは。田村恵理子です。英語の発音に関連のある本のレビューをしています。
この記事は、こちらの本の感想記事となります。
日本語ネイティブが苦手な英語の音とリズムの作り方がいちばんよくわかる発音の教科書
靜哲人/著 2019/1/19 発行
この他にも英語の発音に関連のある本のレビューは、こちらの記事にまとめています。
★今日からあなたの英語が劇的に変わる!! 靜教授の発音教室
多くの日本語ネイティブが話す英語について「なんか英語っぽくないなぁ」と感じたことはありませんか?その最も大きな原因は次の3つです。(1)すべての子音に母音を付加してしまう
(2)すべての母音をはっきりとした「ア・イ・ウ・エ・オ」で発音してしまう
(3)文に抑揚をつけず平板で単調な言い方をしてしまうまずはこれら3つの点を改善するだけで、あなたの英語は飛躍的に英語らしくなります。
本書は、専門的な知識に裏打ちされたユニークなトレーニング方法で、多くの英語学習者の発音を改善してきた靜教授による70レッスンの発音教室です。
★母音・子音だけでなく英語リズムも!!
従来の英語発音の本は、個々の母音と子音についてだけ扱って終わっているものがほとんどです。しかし、個々の音だけをいくら改善しても発音は英語らしくなりません。それは、英語の音声イメージを決定する非常に重要な部分が英語のリズムだからです。本書では、みなさんが発音する英語を英語らしく聞こえるようにするために、英語リズムの解説にかなりのページを割き、十分なトレーニング素材を用意しました。★Step 1 まず全体イメージを英語らしく
日本語ネイティブ特有の英語発音から脱して、英語のおおまかな発音イメージに近づけます。★Step 2 主要な音を英語らしく
日本語には存在しない英語の音を克服し、かなり英語らしい発音ができるようにします。★Step 3 細部の音まで英語らしく
ネイティブの英語に近い、より英語らしい発音を身につけます。★Step 4 文のリズムまで本格的に英語らしく
日本語ネイティブの英語発音改善の仕上げとして、生き生きとした本当に英語らしいリズムを身につけます。★Step 5 学習の総まとめ
これまで学習してきたことを定着させるために有効なトレーニングを行います。そのために繰り返し活用できる長めの素材として、「映画」「スピーチ」「歌」の英文と音声を用意しました。
アクセント(強勢)の説明で、五線譜と音符を使った説明は、初めてみました。著者のオリジナルでしょうか? ソの音とレの音で説明しています。本当にソの音とレの音なのかというと、それは人によって違い、あくまでイメージということになるかと思います。楽譜が読める人には、イメージ手段として、いいかもしれません。
かなり詳しいことも説明してある
一般向けの発音の本としては、かなり詳しいことまで説明してあります。
例えば、発音記号には表れませんが、語尾が無声音か有声音かで、母音の長さは微妙にかわります。
card/cart の場合は、語尾が有声音の card の母音の方が、気持ち長いです。しかし発音記号上は変わりません。この本では、そのような細かい点まで説明されています。
また、曖昧な母音のシュワについても、かなり詳しく説明してあります。
大学の発音に特化した講座で学ぶレベルの項目がカバーされています。
英語ネイティブの本音について
「インド英語も実はわかりやすい」という項では、ポリティカル・コレクトネスへの配慮と、英語ネイティブの本音についても書かれています。
訛りでバカにしてはいけないという建前がある一方で、しかし、そうは言っても、現実に差別される場面は往々にしてあるわけで、やはり、発音は大切ですよね。
リンガ・フランカ・コアについてもコラムがあります。
上級者向け、あるいはテキスト向き
初中級者が、独学しようとすると、もしかしたら、詳しすぎて圧倒されてしまうかもしれません。
上級者、あるいは、レッスンのテキストや参考書として使うのによさそうです。
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