● 英語の勉強法:わからなかったら聞けばよい、というのが根底にあります。
こんにちは。田村恵理子です。
100人の英語ストーリその24です。
あなたの英語学習のヒントにしてみてくださいね。
英語を道具として使いこなしてお仕事をされていた、おもてなしのプロにお話をうかがいましたよ。
一流ホテル直伝!リピート率80%を超える接客マナーが身につく方法 奥武志さんです。
奥さんは、平日の宿泊客は8割が外国人、上司も外国人の外資系の一流ホテルで、11年勤務されました。
VIP担当バトラーまで務めたおもてなしのプロです。
そんな奥さんの英語ストーリです。
中学生の時は、基本的に勉強が嫌いでしたが、英語だけは勉強しました。楽しかったのです。
元々、人付き合いやコミュニケーションが苦手だったのですが、日本語ではない別の言語でコミュニケーションを取れるのが面白いなと思われたそうです。
中3の時の英語の先生は、授業を英語のみで進めました。生徒たちは、イエスと言うのも恥ずかしがる雰囲気でした。当時としては珍しいタイプの先生でした。
高校に進学しても、やはり英語だけは面白いと感じていました。
英会話スクールに興味があったのですが、周りに通っている人もおらず、なかなか一歩を踏み出せずにいました。
結局、そんなに行きたいなら、とお母さまが後押しして下さり、英会話スクールに通い始めました。
小さいスクールで、外国人の先生1人に生徒3人くらいでした。他の生徒は、社会人や大学生です。はじめはかなり緊張しましたし、全く話せず、ホントに単語だけ口に出す感じでした。
難しい文法を使わなくても、間違ってもいいから喋ろうよ、という先生の指導もあり、とにかく必死に話しました。
そのうち、英語を話すことに抵抗感がなくなってきました。
中学で習った単語と文法だけでも、意外と会話が成り立つことに気づいたのです。
スクール以外でも、少しずつ自分でチャレンジしてみました。
道で迷っている外国人を見かけた時、以前だったら避けていたのですが、近くに行ってみるようになりました。
自分からは声をかけませんでしたが、声をかけられたら道案内しました。
高校卒業後、奥さんは英語の専門学校のホテル科に進みます。
文法、会話、ホテル英語など、毎日ネイティブの先生による授業がありました。きっちり教えてくれる先生、変なスラングばかり教えてくれる先生など、様々でした。
授業中は日本語禁止です。専門学校の2年間でリスニングはかなり慣れました。
生徒同士も下の名前で呼ぶので、仲良くなるのも早く、やはり英語でコミュニケーション取るのは面白いと感じました。
毎日英語で話すうちに、英語でコミュニケーションをとることに慣れてきました。
ホームステイや留学には行きませんでしたし、難しい表現や単語を勉強したわけではありません。
間違ったら恥ずかしいとか、分からなかったらどうしようという気持ちが、話せば話すほど、なくなっていったのです。
間違っても間違っちゃった!と言えばよくて、わからなかったら聞けば良いのだ、と腑に落ちました。
英語を話すときに、このような気の持ち方が大きいと気づけたのが、一番大きな収穫でした。
このマインドが、その後ホテルで働きはじめてからも、すごく役に立ちました。
ホテルでは、はじめレストランに配属されました。外国人の来店も多いレストランでした。
人数を聞いて、席に案内し、オーダーをとるなどの通常の英語対応は、専門学校でも習いましたし、最初からある程度できましたが、予想外の質問をされることもありました。
そのようなイレギュラーな対応は、実地で覚えていきました。
新しいメニューができると、各部署の英語担当者が英訳を作り、皆に配ります。それを覚えたり、その他にも調べたり聞いたりして覚えていきました。
週一回英語の先生が各部署を回り、手があいた人を集めて、料理や日本食の説明などのミニレッスンをしてくれました。
必要な表現を習い、覚えて、使ってみる。それがとても良かったのですね。
ゲストに聞かれて答えられなかったこと等も教えてもらい、皆でシェアしました。
多少うまく行かないことがあっても、海外のゲストは、オッケーとおおらかに許してくれるケースがほとんどでした。
経験を積むうちに、より一層、そんなに心配しなくていいと分かってきました。
やがて、奥さんは、研修を受けてVIP担当バトラーも務めるようになりました。
VIP在中は常にポケベルを持ち、本人か、お付きの人に呼ばれたらすぐに部屋に向かいます。
必要な手配をしたり、ゲストの外出中には、部屋のメンテナンスもします。いわば、動くコンシェルジュです。
某国プリンセスから直々にサンキューレターを頂いたこともありました。
その時のポイントも、コミュニケーションにあったようです。
奥さんはプリンセスの外出中、残っているお付きの人と、たくさんコミュニケーションをとりました。話を聞いたり、困っていることを聞いて対応したり。
プリンセスにとって、お付きの人は家族のようなもの。彼女たちのケアもしたことが、喜んでもらえたのですね。
ゲストが英語で言われたことが分からないことも、もちろんあります。
発音のトレーニングはしましたので、英語がすごく話せると思われて、すごく早口で話しかけられることもあります。
ただ、わからなかったら聞けば良いというのが根底にあるので、落ち着いて対応できるのです。
聞き返すのもコミュニケーションの一つなのですよね。
TOEICの勉強をしている方に向けて、奥さんは、せっかく勉強した単語や表現などを使わないと、もったいないですよ、と言われます。
間違ったら間違っちゃった!と言えばよくて、わからなかったら聞けば良いのです。
あなたもぜひ、街中など、色々な所でどんどん英語を使ってみてくださいね。
そして、どんなお仕事でもお客さまがいます。英語のスキルも大切ですが、最終的な目的はお客さまに満足してもらうことですよね。
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