全国通訳案内士になるまでインタビュー【第47話】

この記事は、ポッドキャストTOEIC研究室きくメルマガ第47話「全国通訳案内士になるまでインタビュー」の書き起こし文です。

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ポッドキャスト書き起こし文

こんにちは、田村恵理子です。

今回は、通訳案内士で、現在はスペインにお住まいの

藤木 紀衣(ふじき のりえ)さんのインタビュー

記事からの抜粋をご紹介します。

元の記事はね、それこそ子供の頃の異文化との出会いの話から、学生時代の話、それから旅先での経験の話、通訳案内士という仕事を知って実際に目指すまで、それから試験勉強のこと、合格してからのキャリアの話など本当に多岐にわたって詳しくお答えくださっていますので、そちらもぜひ読んでいただきたいですが、

今回はね特にね、通訳案内士を目指すきっかけとなった話から、通訳案内士になるまでの話、一部の抜粋になりますが、ご紹介させていただきます。

通訳案内士を目指すきっかけとなった話

通訳案内士という職業があると知ったのは、大学3年生の時です。

大学3年生も半ばになると、そろそろ、将来を考えなければいけないタイミングです。周りの学生も、就活という雰囲気になってきました。

漠然と、小さい頃から会社員で一生を終わるのは嫌だな、と思っておりました。

何かできることないかなとネットで探してみたりしました。

英語を使う仕事で検索してみて、通訳案内士という資格があることを知りました。

当時、通訳案内士の資格を取るための、、ハロー通訳アカデミーという専門学校がありました。

通信のコースを申し込みました。自分で貯金をはたいて、16万円くらい払いました。

英語は得意でしたから、ちょっと勉強すれば受かる、と甘くみてました。

ところが、いざ、テキストが届いて、見てみたら、すごく難しかったのです。

現在の通訳案内士の英語のテストは易しくなっています。英語の筆記試験のTOEICなどによる免除もあります。

当時は合格率がすごく低かった時代でした。英語の試験もすごく難しかったです。

通信講座の英語のテキストをちょっと見ただけで、すごく難しくて、無理だと思いました。

結局その時は、ほとんど勉強せずにやめてしまいました。今の私には無理だな、と諦めたのです。

通信講座の課題も、一回も提出しなかったと思います。

大学を卒業後は受付や事務の仕事をしておりました。

仕事で、英語も少しだけ使いました。 初めて仕事で英語を使ったのは、小さな商社で貿易事務をした時です。

留学経験のある英語がペラペラな上司の方がいい人で、丁寧に教えてもらいました。とは言っても、仕事の英文メールは、商品名や入荷数が違うだけで、毎回、同じような内容ですし、英文メールを読んで入荷したものの個数が合っているか、などのチェックするといった、ごく簡単な仕事でした。輸入する側でしたし、こみ入った内容の英文を書くことも、ありませんでした。

英語の電話や、込み入った内容は、英語ができる上司が全て対応していましたので、英語でビジネスをしている!という感じではありませんでした。慣れてくると、事務は1年間通して、毎年やることが変わらないなと思いました。ずっと室内にこもっている仕事ですし、もっと自分で動ける仕事がしたいと思いました。

転職を考えた時に、もっと英語を使った仕事がしたいという思いもありました。ところが、全く自信がありませんでした。

大学生の時はTOEICスコア445点でした。

その後、貿易事務の仕事をしている時も、何度かTOEICを受けました。その頃は、通訳案内士については、忘れてしまっていて、また試験を受けよう、とか通訳案内士を目指そう、とは考えていませんでした。

もっと英語を使った仕事がしたいけど、経験もないし、しゃべれない、ときたら、求人でもよくTOEIC800点以上などと書かれているので、TOEICで800点くらいが良いんだ、と思ったので、なんとなくTOEICを受けていました。

卒業して2、3年経った時点で、TOEIC665点でした。その後も2、3回受けましたが、500点台や600点台で、スコアが伸びませんでした。

英語が得意、と自負しておりましたから、TOEIC850くらいは、すぐ取れる、と思っていました。それなのに何度受けても600点台でしたから、自信喪失していました。到底英語を使った仕事なんてできない、と思っておりました。

今、振り返ってみると、TOEICに特化した勉強をしていたわけではないのに、650点は超えていたのですから、一般的に見たらそれほど悪いわけでは、ありません。

だから、もう少し自信と、絶対英語を使った仕事をする、という強い意思を持って、英語を使う仕事に応募していたら、もっと早い時点で仕事で英語を使えたのかも、とは思います。

この後、藤木さんは営業職に転職されてて、仕事では英語が使わなかったものの、一人旅で海外の色々な国を訪れます。

この海外での話もちょっと面白い話があるのですが、時間の関係上ちょっと飛ばして再び通訳案内士について考え始めた頃の話です。

通訳案内士になるまで

25歳の時の舞妓さん体験をきっかけに、学生の時に通訳案内士、という仕事について知った時以上に、「やはり、私は通訳案内士になりたい!」という気持ちが強くなりました。

しかし、収入が安定しないという話を聞いていましたので、通訳案内士になるとしても老後でいいかな、と思っていました。

ネットで検索してみると、通訳案内士は国家資格なのにご飯が食べられないというネガティブな情報も多かったです。

知り合いに、海外に行くツアーの添乗員として働いた経験のある人がいました。通訳案内士ではありませんが、仕事内容は似ています。話を聞いてみたことがあります。

仕事自体は楽しそうでしたが、大変な面についても色々と聞きました。

彼女は心配性で、あれも調べないと、これもやらないと、となって神経が疲れてしまうタイプでした。そして、やはり収入は安定していないとのことでした。

大変なんだなと思いました。

後から伝え聞いた話ですが、いとこのお姉さんも、海外添乗員は、2、3年でやめたそうです。体力的にきつかったそうです。

一般的に考えて、通訳案内士も、収入が安定する仕事ではないのだろうなと思いました。

一方で、通訳案内士の年齢層が高いという情報も得ていました。

資格さえ持っていれば、老後にスタートしても遅すぎることはないし、足腰さえ大丈夫なら死ぬまでできる仕事です。

保険の営業の仕事も嫌いではなかったですから、現実的に考えて、通訳案内士は老後でいいかなと思いました。

やはり通訳案内士が、まさに私のやりたいこと!

30歳を超えた頃、色々と考えた時期がありました。

独身で子供もいませんし、まぁまぁいいかなと思っている仕事をしていて、大好きなことをしているわけでもないですし、自分の人生って何なんだろうと思いました。

老後に後回しにした通訳案内士の仕事ですが、なりたい、と思っているなら、仮にスタートは老後にするとしても、老後に勉強するのは大変なので、何かの役に立つかもしれないので、若いうちに資格だけでもとっておいてもいいのでは、と思い、一度試験を受けてみました。それが2013年8月でした。

当時は、保険の営業の仕事でバリバリ働いていましたから、あまり勉強せず、とりあえず受けるだけ受けてみました。

その年は、軽い気持ちで受けてみたのですが、その後すぐ、東京オリンピック開催が決まりました。

外国人がいっぱい来るなと思いました。であれば、何も老後まで待たなくても、オリンピックに乗じて通訳案内士の仕事にチャレンジしよう!、このタイミングで資格を取っておかないと、チャンスを逃すし、オリンピックに乗じていい方向になる!と直感で感じました。

2020年がオリンピックですから、2017年までには、通訳案内士試験に絶対受かっておこう、オリンピックの時までにはキャリアを積んで、バリバリ仕事できる状態でいようと、心に決めました。

絶妙なタイミングで決まった東京オリンピックが、通訳ガイド試験の勉強の強いモチベーションとなりました。

ハロー通訳アカデミーの講座で勉強

実は、学生時代に購入したハロー通訳アカデミーの通信講座は、わずか数冊だけ残して捨ててしまっていました。

再度、通訳案内士を受験してみようと思った時、ハロー通訳アカデミーはすでに閉校していましたが、以前は有料だった講座が、無料でダウンロードできるようになっていました。その講座をダウンロードして、勉強しました。

TOEICで英語の筆記試験の免除をねらったものの…

通訳案内士の一次試験では、TOEICスコア840点以上で、英語の筆記試験が免除されます。

注:2018年度以降は、免除条件が変更されました。

まずは、TOEICから、なんとかしようと思いました。自信喪失して以来、TOEICはしばらく受けておりませんでしたが、自信喪失の後、海外一人旅で多少は話せるようになっていたので、TOEIC840点はすぐとれる、と思っておりました。

さっさとスコアアップして、日本語の教科の勉強に集中したかったので、保険の仕事をしながら3カ月間、週に一回TOEICの強化スクールに通いました。勉強を始めてから750点くらいまでは、すぐ取れました。

それからTOEIC800点台になり、820点や、830点の辺りをずっと彷徨い続けました。なかなか、免除基準の840点をクリアできませんでした。

800点~830点を1年ほど彷徨っていたので、よっぽど英語の才能がないんだなと、落ち込みました。本当に落ち込みました。こんなに勉強しても850点すら、すんなりとれないならば、諦めた方がいいのかな、とまで考えるほど本当に落ち込んでおりました。

しかし、2015年5月、通訳案内士の願書を送らないといけないギリギリの月に、やっと、やっと、TOEIC850点取れました。

1年4か月かかって、やっと850点を取れました。電車の中でスコアの発表を見て、泣きました。正直なところ、通訳案内士の試験に受かった時よりも嬉しかったです。電車の中で涙ボロボロ流して号泣していたのを今でもよく覚えています。電車の中の人は何事かと思ったでしょうね。

英語は、大学受験の時よりも、通訳案内士の勉強をした時の方が、集中して勉強しました。TOEICのスコアアップ、と目標を明確にして、TOEICだけに集中したのが良かったと思っています。

前の年に一般常識と歴史に合格していて、英語はそのタイミングで免除になったので、2015年は筆記は地理だけでした。

2015年に、保険会社の営業職から、旅行会社の営業職に転職しました。

通訳案内士をやるぞと決めているにもかかわらず、あまり関連性のない業界の仕事に週5日間を費やしていることに、疑問を感じたのです。

通訳案内士に直結する仕事をしたいと思い、旅行会社の営業職に転職しました。ちょうど、インバウンドを扱っている部署に入れました。それが2月くらいです。

ところが、入社後3か月ほどで、その部署が潰れ、仕事がなくなってしまいました。

通訳ガイドの一次試験は8月でしたから、6月からは仕事はせずに、試験に集中することにしました。と、言いたいところですが、6月は友人に会ったり、7月は海外から友達が来て丸1カ月一緒に旅をしていたりで、実際にちゃんと勉強しはじめたのは8月になってからでした。

一次試験の英語はTOEICで、一般常識と歴史は、前年に合格していたため、免除になりました。一次試験で残りの地理に合格し、冬に受けた二次試験にも、合格しました。

発表は翌2016年の2月でした。結局、最終目標にしていた2017年よりも、早く合格できました。

通訳案内士に合格してから

はい。ここまで、通訳案内士の音試験に合格するところまでご紹介しました。

インタビュー記事ではね、この後、初めて、未経験で初めての仕事に取り組むところから、少しずつ仕事の幅を広げていくところも詳しくお話くださっています。

そしてね、このインタビューを実施したのは、実は5年近く前なんですね。現在2022年ですが、インタビューは2017年でした。

そのインタビュー後5年間、5年弱の間に、世の中的にも色々ありましたし、藤木さんご自身にも大きな大きな変化がありました。

藤木さんから近況報告のメッセージも頂いていますのでそちらも読ませていただきます。

5年の年月を経て

2016年2月に合格通知をもらい、2017年、2018年と2年半強フリーランス通訳案内士として活動させて頂きました。

お世話になっていた定期観光バスガイドでは、お客様アンケートで新人の中で一番多く高評価を受け、人とのご縁で、関西の旅行会社とも繋がって、スルーのツアーのお仕事をもらえたり、VIPのお客様のアテンドをさせてもらえたり、様々な経験をさせて頂きました。

憧れだった仕事で評価されたことが、さらなる自信に繋がり非常に楽しい時期でした。

そんな中、憧れの仕事を手にして充実してはいたものの、何か心の中にずっとひっかかっていたことがありました。

それは、年単位で海外に住んだことがないことです。

このまま通訳案内士の仕事を続けて、色々な取引先ができるほど、海外に住むタイミングがなくなる気がしました。

海外に住んだら必然的に語学のレベルがアップするはずなので、仮に海外に行って帰って来たとしても、通訳案内士としてキャリアを積むには、仕事をしないブランクがあったとしても、むしろプラスになるので思い切って海外に住んでみよう!とふと思い立ったのです。

それで、2018年のクリスマスから年末にかけての仕事を最後にして、2019年の始め、スペインのバルセロナに飛び立ちました。

何故スペインかと言いますと、最初は海外に年単位で住みたいとかなり漠然としていました。

色々旅行で行った中でも「住みたい」と思ったのはヨーロッパ。そして、ヨーロッパの中でもどこ?と考えた時に、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアあたりが候補にあがり、特にバルセロナの活気が好きだったのとスペイン語ができるようになれば南米の人相手にも仕事ができて、仕事の幅が広がって楽しそうと思ったからです。

そして今、そんな軽いのりで1年のつもりで来たのに、居心地のよさを気に入ってしまい、ビザを延長し続け、スペイン生活も4年目になりました。

ということで、藤木さん、インタビューと追加のメッセージも、どうもありがとうございました!

通訳案内士の業界もね、現在、2022年夏の時点ではまだ大変な時期だと思いますが、

これから上向いていくのではないかと思いますし、藤木さんの今後の活動の様子も、また何年かしたら、改めてお話を伺いたいなあなんて思っております。

インタビューの全文は URL toeic8.com/int37 の方に掲載しています。

あと藤木さんのブログや Facebook などへのリンクもそちらに貼ってありますし、ポッドキャストの概要欄にも貼っておきますので、ぜひそちらものぞいてみてください。

それでは、今回はここまでです。お聞き頂いてどうもありがとうございました。

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