ルイスキャロルの小説、不思議の国のアリスのお茶会と数学のクォータニオン四元数の関係

こんにちは。田村恵理子です。

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ルイスキャロルの小説、不思議の国のアリス

今回は、語学を巡るおしゃべりをお届けします。

不思議の国のアリス、ルイスキャロルの小説、不思議の国のアリスは、ナンセンス文学とも呼ばれて、もう意味が分からないところが色々あります。

それで、その意味のわからないところに対して、実はこういう意味が隠されてるのではないのという考察はもう、たくさんいろんな説が出されています。その中で、これはすごいと思ったことがありました。数学の四元数、クォータニオンという概念と、不思議の国のアリスの中のね、帽子屋のお茶会 Hatter のティーパーティーですね。その関係の考察を読んだので、それについてお話しします。

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不思議の国のアリスを数学で読み解く

今回は、ちょっとマニアックな話で、不思議の国のアリスを数学で読み解くという話です。

不思議の国のアリスの第7章、A mad teaparty, いかれたお茶会という話があります。 Hatter 帽子屋と3月うさぎとヤマネあるいは眠りネズミが出てくるちょっと風変わりなお茶会の話です。その A mad teaparty の章を読み解いて、これは実は数学の四元数を表してるのではないかという説について紹介します。

出典を言っておきますね。著者は、Melanie Bayley, Alice’s adventures in algebra: Wonderland solved 2009年12月16日 New Scientist こちらが出典になります。ポッドキャストの説明の欄に貼っておきます。

数学の四元数を提唱したアイルランドの数学者ハミルトン

今回の話に出てくる四元数というのは、「し」は4ですね。数字の4、それで「げん」は元気の元、もととか要素という意味の元で、「すう」は数ですよ。

その四元数ですが、提唱した人はアイルランドの数学者、ハミルトンさんです。このハミルトンさんは、すごく有名で、この方にちなんだハミルトニアンという演算子とか、行列もありますが、多分ね、大学で物理を勉強されたかたはみんな覚えてるのではないかなと思います。その内容は忘れてもね。私もね、もう習ったのすごい昔なので、内容はうろ覚えですが、それでもハミルトニアンって聞くと、あ、やった、やった、知ってる、知ってると思います。

それぐらい、現代でも使われている応用数学に、貢献のあった人です。

話はそれますが、これ、生物のミトコンドリアに近いのではないかなと思います。ミトコンドリアも名前が強烈なので私は生物は科目としては選択しなかったのですけれども、多分高校1年生かな、ぐらいで習ったミトコンドリアというその単語をね、まだ覚えてます。

四元数とは

話を元に戻してそのハミルトンさんの提唱した四元数というのは、四つの要素がある数のことです。そのね、四つの要素が全部平等ではなくて、その四つのうちのね、三つが仲間です。それで残りの一つは、ちょっと仲間はずれで、性質が違います。この性質が違う仲間はずれの要素は、時間と解釈することができます。数学というのは、非常に抽象的なので、これが距離とかね、これが時間とか決まってるわけではないのですけれども、その仲間はずれの一つを時間と解釈すると、自然であるように見えるとハミルトンさんも脚注に書いていたそうです。

四元数とアリスりお茶会

そして、この四つのね、四元数の四つの要素がこの不思議の国のアリスのお茶会の登場人物に実は対応するのではないかというのが、この解釈です。このお茶会にはアリスが来た時にね、まず座ってた人が3人いました。

The Hatter 帽子屋、3月うさぎ、それから、ヤマネまたは眠りネズミ。細かい事言うと一人と二匹ですが、まあ3人いました。

ヤマネまたは眠りネズミの話

話が逸れますが、私、今「ヤマネまたは眠りネズミ」と言いましたが、これ、もとの単語がdormouseなのですよね。それでdormouseと言うと言葉通りの意味は、ヤマネという動物だそうです。ですが、dorm- と言うとラテン語で眠るという意味があるので、語感として、dorm の部分には眠るというニュアンスが付け加わります。

例えばね、dormitoryと言えば、寮、つまり、眠るところですし、dormantといえば休止中の、あるいは冬眠中の意味になりますね。

このように、不思議の国のアリスの中には英語の言葉あそびがいっぱいあるので、英語圏の子供は本当に、単純にね、その隠された意味とか考察しなくても、言葉遊びとして十分面白いんだろうなぁと思います。不思議の国のアリスのお茶会の中で、この dormouse は名前の通り、眠ってばかりいます。

お茶会の出席者、時間さん

お茶会の出席者はヤマネと帽子屋とうさぎの3人な訳ですけれども、この他に話題に出てくる人がいて、それが誰かと言うと、Time 時間さんなのですね。

それで、ここも、もし英語で読まれる方は、言葉遊びがいっぱい出てくるので、time に気をつけて見て頂きたいのですけれども、例えば、音楽に合わせて拍子をとることを、beat timeというのでそのアリスが「音楽に合わせて拍子をとることはあるけれども」と言ったら、その帽子やがね、「時間さんはね、 beat 叩かれるのが嫌なんだよ」て答えたりとか、そういう言葉遊びがたくさん出てきます。

時間の変数は t イコール、お茶!?

それは余談ですが、この登場人物に着目してみると、確かに3人プラスあと一人、時間さんということでこれ設定がね、四元数と同じではないの?と捉えることができるわけです。それでさらにですね。数学ではあの変数をアルファベットで表したりしますよね。例えばXとかYとか、aとかbとかcとかね、使ったりしますが、時間を表す変数は、アルファベットのtが一般的です。timeですからね、変数としてtをよく使います。

そうすると、この章のタイトルもね、ティーパーティーですよね。ティーというのは、もちろんお茶会のお茶のことなのですけれども、アルファベットのtも同音異義語です。お茶のティー tea と同じ発音ですよね。じゃあ、これお茶のteaとアルファベットのt 時間のtをかけてるのではないの?これも言葉遊びなのではないの?という解釈もできるわけです。

席替えで回るのも実は?

そして、さらに、この奇妙なお茶会では、席をね、みんなでいっせいに隣にずれて行って、ぐるっと回るという設定になっています。つまり、平面上で回転してるわけです。

ここから先、ちょっとすごいなと思うところなのですけれども、数学者のハミルトンさんが、その四元数を考えついたとき、初めはね、実はやりたかったことは、三次元空間、私たちが普段いる三次元の空間での回転を扱いたかったわけです。数学で。初めはね、三つの要素でなんとか三次元の回転を表そうとしていたわけですが、扱おうとしていたわけですが、うまくできずにどうしても要素が三つの場合は、二次元の回転になってしまったわけです。うまく扱えなかったのですね。

そこで、性質の違うもう一つ別の要素を付け加えたら、うまく3次元の空間での回転を表すことができたという経緯があります。

アリスのティーパーティーでは、時間さんが今いないわけですよ。このティーパーティーにね。ですから、一つ要素が足りなくて、2次元上での回転になってしまっているという解釈ができるわけです。これ、ちょっとすごいなと、偶然の一致にしてはすごいなと思いました。

言葉遊び

この他にもまだありまして、アリスのお茶会の席で、言葉の論理遊びみたいのが出てくるのですね。言葉の順序を交換したら、意味が違うじゃないかという話で、例えば「私は見るものを食べる」というのと「私は食べるものを見る」というのは意味が違うじゃないかという話が出てきますが、これもね、数学の交換法則が成り立たない、演算の順番を逆にしたらそれはイコールにならないというのを、表しているのではないかという見方ができるわけです。

時代背景

時代としても、数学者のハミルトンが四元素を発見したとされるのが1843年で、ルイスキャロルは、その10年後ぐらいから数学教師として教え始めていますから、当然知っていたのではないかなと推測されるわけです。

不思議の国のアリスは、単純にね、子供のための話として、当時としては、もう画期的だったわけで、今もね、その言葉遊びとか、あるいは設定ですよね。何か食べて大きくなったり、小さくなったり、そういう単純な面白さもありつつ、わかる人にだけわかるような、ちょっとした仕掛けをね、ルイスキャロルが入れ込んでいたとしたら本当に面白いなと思いました。

それでは、今回はここまでにします。お聞きいただいてありがとうございました。

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最後までお聴き頂いてどうもありがとうございました。それではまた。

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